しばらく前に稲井未来著『セカンドクラスの添乗員』という本を買った。
なかなか面白かったので続編の『セカンドクラスの添乗員ラストツアー』を買って読む。 海外旅行の添乗員をしていた著者がメールマガジンで発行していた内容を本にまとめたもので、添乗員を辞めた今だから言えるという裏話も含めて、添乗員として経験したこと、出会った人々などをユーモアたっぷりに描いている。 客だという理由だけで威張り散らす人やとんでもないお願いを当たり前のようにする(というかお願いですらなくて要求なんだけど)人というのに改めて驚くのだけれど、それを怒るよりは笑い飛ばして楽しんでしまえ!という度量の大きさと、やはりお客様はお客様、最大限に旅を楽しんでいただこう、というプロ根性に感心する。 これを読んでますます思うのは「私は何があっても添乗員にだけはならない、いや、なれない」ということ。お金を払っているんだからなんでもサービスさせて当たり前、というのは「お客様は神様です」を背景に生まれてしまったいやな考えだと思うのだけれど、それを上手にさばくなんて器がミニチュアサイズのお猪口並に小さい私には絶対無理。 お客には「怖い添乗員のいる地獄のツアー」なんていうのを提供してしまいそう。 私の出張はだいたい12日間8都市周遊ツアー状態なんだけれど、客とのアポからフライトスケジュールを組むのからホテルの予約までほとんど全部自分でしている。さすがにフライトの予約は業者にお願いするけれどね。自分と気心の知れた仕事相手との長旅なのでまあ気楽といえば気楽だけれど、毎回なにかしらハプニングやらトラブルやら起こるし、仕事だとはいえへとへとになるとどうしても不機嫌になったり短気になることもままある。 ときどき空港や機内で添乗員さんと思しき人を見かけるとほんとに休むまもなく「お客様のお世話」をしていて、大変だろうなあと思う。大変だなあと思うのは客室乗務員についても感じるけど。それから、日本の航空会社の客室乗務員のサービスぶりと丁寧さは特筆に価すると思う。プロだからといえばそれまでだけれど、でも、やっぱり素晴らしいとこれもいつも感心するのだ。 プロの仕事ぶりというの、素晴らしいなあといつも思う。
by bramble
| 2007-04-15 22:04
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