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お熱いのは...危険。
日本語の「は」というのは(「が」もですが)難しい。
「は」という助詞は通常、その前の言葉について話しているんですよ~という指標であって、間違っても「は」のついた言葉=文(に使われている動詞)の主語じゃないのです。
だからこそ、「ぼくはウナギだ」なんていう発言が成り立つんですね。

この「ぼくは」をこの文の主語と捕らえてしまうとどういうことになるか。
日本語としてはいいのですが、それを英語など他の言語に翻訳したときに問題が。
つまり、I'm eelなんてしてしまうのです。
レストランで何になさいますか?と注文を聞かれて、「ぼくはステーキ」のつもりでI'm steakと言った日には、お店の人に笑われるか、もしくは「?」が10個くらい頭上に浮かんでいるような顔でまじまじと見つめられるか、じゃないかなあ。(まあ、たいていはいい間違いだってことに気がつくでしょうし、気の利いた人なら何食わぬ顔でこのお客はステーキを注文したいんだなってわかってくれるでしょうけど。)

もし、ぼくはウナギ、というのを無理やり英語に直訳するのであれば、as for me(僕についていうならば), it's (it = what I'd like to order) eel.というところでしょうか。

さて、前振りが長くなりましたが、何を言おうとしているのかというと、時候のitとかそれに類したものの話です。

まだ肌寒いこの季節には不釣合いな台詞ですが、まあ、暖房の効きすぎた部屋にいると想像して、口をついて出るのはこんな台詞。

「暑い!」

これを英語でどう言うか。
他の人はどうだか知らないけど、すくなくとも私は暑いぞ、というときに
I'm hot!
なんて言う人が多いんじゃないでしょうか。
だがしか~し。
It's hot!と言わないといけないんですね。Itというのは何を指しているんだかよくわからないような代名詞ですが、どうしても主語が必要な英語としては仕方なく使っているようなものだと思います。(敢えていうならば大気とか気温とかですが、そこまでの意味はないと思う。)
私は暑いと感じているんだ、と「私」を強調するならば
I'm feeling hot
もしくは
It's too hot for me
というところ。(でも、前者はそれでも誤解を招かないとも限らないかなりアブナイ表現です。)
ちなみに、気温ではない意味での形容詞 hot は、excitingとか、流行のという意味にもとれますが、通常は sexy という意味になりますので、ご用心。

さて、ハンガリー語ではどう言うか。
暑いです、は
Meleg van.
Melegは暑いという形容詞(熱いも同じかな)、vanは英語でいうbe動詞に近くて、存在とか状態を表します。
これを間違って
Meleg vagyok.(私はmelegである)
というとどうなるか。
じつはこれ「私はゲイノー人です」っていう意味になってしまうんだそう。
(ということを、同じハンガリー語教室に通っている人から教えてもらいました。)

ハンガリーは温泉でも有名ですが、実は地元の特に若い男性はあまり温泉に行ったことがないという人が多いようです。
理由はというと、「温泉はゲイノー人のハッテンバになっているから」。(^_^;)
男女混浴の場合は水着着用なので誰でも安心して入れるそうですが、男女別で日本のように裸で入る温泉は…時と場合と場所によってはかなり「危険度」が高いのだとか。

ハンガリーの温泉は日本人にはかなりお湯がぬるいところが多いそうですが(36℃なんて日本人なら風邪引きそう)、まちがってもこうした場所でmeleg vagyokなんて言わないように。(笑)
日本ならばみんな「引く」でしょうが、あちらではずずいとその道の方が寄り添ってくる可能性があります。
by bramble | 2006-03-22 21:44 | magyar
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